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施術するために筋力トレーニングは必要か

 リラクゼーションマッサージ(ほぐし)等の施術は、体重移動で行うので力は不要と度々耳にしたことはありますが、実際にはお分かりのように指や手、腕、体幹の筋力はそこそこ必要です。お客様の体に体重を乗せることは、言い換えれば術者の手指等で自身の体重を支えることです。圧をかけた状態で術者は体の位置や体勢を保持し、また、圧を抜く際は背中や脚の筋力を使って体を起こします。
 結論としては、筋力トレーニングは特に必要なものではなく、理想的な姿勢や方法で日々の施術をこなしていけば、自然と必要な筋力はつきます。ただし、無理のある姿勢や方法で施術を行っていたとすれば、それに対して必要な筋力がついてしまい改善が困難になることも考えられます。また、ケガや体調不良のもとになる可能性もあります。気になる術者はできるだけ早期の見直しが大切です。

  もし、姿勢や方法に問題がなくても、ある程度の筋力トレーニングをすれば、施術の安定性を確保でき、術者のケガや体調不良の防止にも役立つと思います。筋力トレーニングをする場合の箇所の優先順位としては、指・手首・肘・肩・体幹の順番が良いように思いますが、筋力トレーニングに関しての詳細は別途専門家に相談されることをおススメします。

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資格・免許について

 まず最初に、リラクゼーションマッサージ(ほぐし)に限らず、エステ等にも資格はあります。ただ、それらはあくまで民間の団体または個人が作ったものであり、対外的に考えると実質的に効果はないと言っても過言ではありません。何故なら、これらの業種はサービス業の位置付けであり、特別に何らかの基準があるわけでもなく公的な資格がないからです。もちろん、お客様から見える場所に掲示しておけば、しっかり勉強しているんだなと信頼に繋がることはありますし、何よりも勉強して取得した術者の自信に繋がりモチベーションが上がりますのでとても良いものです。
 民間資格は、言ってしまえばスクール学校や個人問わず誰にでも発行できるものですので、取得を検討中の方は、その内容や費用をしっかりと見極めていきたいものです。

  国家資格(免許)とは国から与えられるもので一定の基準を満たした者が試験に受かれば授与される公的なもので、対外的に効果を発揮します。我々のような施術に比較的関連があるもので考えると柔道整復師、針・灸師、マッサージ師等があります。これらは資格と言うより免許となっておりますので、これなしでそれぞれの業務を行うことは違法になります。

 これらのように、一概に資格と言っても種類がありますので、スクール学校や専門学校をお考えの方、資格・免許取得を考えている方は慎重に検討していかなければなりません。

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医学的知識は必要?

 結論から言うと必要です。まず、筋肉や骨については絶対的に必要です。内臓の位置や血管、神経等の流れもある程度把握しておくことが理想です。これらは施術をする上で直接的に我々に関わってくるものです。特に筋肉や骨の形や付き方は全く知らないでは話になりません。覚えることは決して容易ではありませんが、施術の際によく触れる場所の筋肉や骨だけでも最低限は把握する必要があります。

 ケガや疾患に関してもある程度の知識がある方が良いでしょう。何故なら、肩こりや腰痛、その他の症状は、もしかしたら慢性的なものではなく、骨折や何らかの内臓疾患と関わっている可能性があるからです。お客様に恐怖をあおるわけではありませんが、場合によっては病院での受診を勧めるべきときもあります。ただし、何でもかんでも病院病院と言えば良いものではなく、何らかの根拠を基に話をするようにするべきです。

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施術のフォームがよく分からない

[原因]

 力のかかる仕組みを理解できていない

[対策]

お客様満足度アップと指名獲得のための原則

 まず施術方法の基本となる押圧は術者の体重を施術部分にできるだけ無駄な力なくして乗せることができるかどうかです。正しいフォームとして最初に教えてもらう際に、ただ単にそのフォームを覚えるのではなく、そのフォームを作る意味を考えます。

 基本フォームとして、大まかには皆同じ感じにはなりますが、個々で体の形や重心の位置は異なりますので、フォームを完全に決めて、ひたすら練習するというのは好ましくないと思います。基本フォームを基に、施術ポイントに対する手指の置き方や体重のかかる方向をしっかり考えながら個々のフォームを作っていきましょう。考えの基となる留意点を下に記載致します。

 

●全ての施術部分を点のみではなく、どのような傾斜の面なのか、一押圧毎に判断し、面に対して垂直になるよう手指等を合わせる

●面に対して圧をかける際、指先・手首・前腕・上腕が一直線に近ければ近いほど力の効率が良い。

●指先・手首・前腕・上腕を一直線近くに保つためには術者の体勢調整が必要不可欠です。面が変われば押圧方向も変わります。一押圧毎に体勢を変えましょう

目線は施術ポイントばかりにやらず、目の水平ライン上で正面にやります。それは術者の体の背筋が丸くならないようにするためです。術者の背中が丸くなると、上半身のみの体重しかかけられなくなります。結果的に手指等に無駄な力が加わり術者とお客様ともに危険が伴う施術になり得ます。術者の腰・お尻・脚の下半身で体重を乗せていくことが理想的です。

●押圧は原則として体重移動で行う。指で施術を行う際、施術部分の接地部にある術者の指は固定状態で手首の返しで微調整する

 以上、全てが正しいフォームを作り上げる上で大切なことで、術者にとってもお客様にとっても良い結果に繋がる近道です。そしてこれらの根底にある考え方として下記の原則を忘れないでください。まさにお客様満足度アップと指名獲得のための原則と言っても過言ではありません。

【施術の心得3原則】

一、術者自身の体をいためてはならない

一、お客様の体をいためてはならない

一、お客様を不安にさせてはならない

施術フォームって、まあまあ適当に考えてしまう人もいます。実際に、フォームが適当でも、しっかりコリのポイントに当たり、手首の返しが使えていれば、お客様満足と指名を得ることができている人もいます。しかし、それは腕力や指力に依存しているものであり、リラクゼーションマッサージ等の施術業のプロとして長年やっていくことは厳しいでしょう。

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短時間でお客様を満足させたい!

[原因]

①ポイントを絞り切れていない

②施術ポイントが狭い

③筋の端々が施術おろそか

[対策]

①コミュニケーションが指名獲得への第一歩

まず最初のコミュニケーションで、お客様が訴える疲れ等の部分を明確に確認できていますか?

お客様が肩や腰と言ったときに、漠然と受け取らずにしっかりと具体的な部分を聞き取ることも準備段階としては大切です。さらに、もし可能であれば、「どういう時に? どんな感じで? いつから? 思い当たるきっかけは?」などを合わせて聞いてみたり、もっと言えば普段の姿勢から訴えの部分や原因を特定するため、日常の生活スタイルなんかも聞き取ることができればベストです。

 そしてベッドに寝転ぶ前でも後でも良いので、聞き取って得た情報を基に、実際にお客様の体に触れて訴えの部分を確認します。実際に疲れや痛みの箇所に触れて確認することで、お客様にとって安心につながりますし、セラピストに対する信頼と満足度アップや指名に影響するでしょう。

 さらっと聞けば、ここまでの作業にかかる時間は2~3分です。長いか短いかは人それぞれの感覚ではありますが、聞き取りを行うことによって、その後の施術の進めやすさや施術効果が左右されることは明確です。

 このように、まずはしっかりとお客様の話を聞き取って触れて施術部を絞り込み、そこに術者自身の見解を加えて施術を進めていけば、より的確で素早い満足を与えることができます。施術の合間合間でも、強さや効き具合を随時確認することも忘れないで下さい

細かいことのようですが、施術の技術や心地よい接客スタイルと同等に重要なことです。本気でお客様のことを考え、「満足してもらいたい」「指名してもらいたい」と思うのであれば、確実に実践できるようにしましょう。

部分ごとに完結した施術になっていませんか?

例えば肩から腰に施術部分を移動するとします。このとき、しっかりと背中全体に圧をかけながら移動できているでしょうか。

施術部分の移動はお客様の体から手を離さずに行うのが原則で、さするように移動するのでもかまいませんが、できればしっかり圧をかけながら移動する方が心地良さを継続させることができます

移動の際に手を離されたり、素早くサラッと移動されると、お客様としては細切れな感覚になり、不安を覚えてしまう可能性があります。不安を与えてしまうと、満足アップや指名獲得から遠のいてしまいます。

 実際に筋肉は細切れで構成させているわけではありません。例えば僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋等は肩周りから腰までに広がる大きなものです。コリやハリは一部の症状であっても、それが現れている筋肉全体からの影響の場合もありますし、その周辺の他の筋肉からの影響であることも考えられます。お客様自身が気付いていない部分でも、術者が少し触れてみるとコリがあり、お客様にも心地良く感じていただけることが多々あります。それを無視して細切れで施術を進めていくことは、お客様に不満を覚えさせることになり得ることは想定できますし、そもそも施術の効率性からすると、

細切れではなく症状を訴える部分とその周囲の様子を考え、一連の流れで進めることが理想的です。

 また、一つの筋肉に対して施術する際、これもまた数箇所の点だけを細切れのように施術して終わらずに、全体を手根や手掌等で揉捏するなどして、点で触れ切れなかった部分を補足するようにしましょう。

部分的ではなく全体的に施術するよう意識しましょう。

施術する部分、その筋肉の端から端もしっかり施術することでお客様の満足感はもちろん、施術効果も最大限に発揮できます。筋肉の端には骨との繋ぎ目である腱と言う組織があります。腱が硬い状態では筋肉が緩むことは考えにくく、やはり腱の可動性回復は重要なことです。

 腱に触れる際の重要事項として、むやみに強い力をかけないことです。腱にむやみに強い力をかけると反射的に筋肉が収縮することがありますので、揉捏ではなく、ゆっくり押し伸ばして保持する施術が効果的です。

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足つぼが上手くできない!思うように力が入らない

[原因]

①お客様の足の位置が好ましくない

②足の支えがしっかりできていない

③施術の指の角度が好ましくない

④術者の体勢が好ましくない

[対策] 

①足はベッドからはみ出していても入り過ぎていてもいけません。ベッドの端から5センチメートル入っているくらいが理想的です。はみ出していると術者が足を支えることが困難になります。特に支えている側の手指に余計な力が必要になり負担が大きくなります。

 そして、ベッド端から入りすぎていると、支えることは楽になりますが、かかと側(仰臥時)の施術の際に、施術の手指が入り込みにくくなり施術が困難になることがあります。

 なお、長座の状態で足を理想的な位置に合わせてもらっても、上半身を寝かせたときに体全体が頭方向にずれ、結果的に足がベッド端から入りすぎる場合もあるので気を付けましょう。お客様に何度も調整させるのは良くないので、最初にバッチリ決めたいところですが、決まらないときは何度でも調整してもらうことはやむを得ません。それは結果的に施術のやりやすさ、お客様の満足度に関わるので妥協はできません。

②お客様の脚(足)の形や様々で、必ずしも術者にとってやりやすい状態ではありません。それを、いかにやりやすい状態に持っていくことができるかどうかで施術効果が左右されます。しっかり支えて術者の両手で足を挟みこむようにして施術しましょう。

③しっかり面をとらえて、それに対して垂直に圧をかけられていますか?と言いたいところですが、足つぼに関しては施術の手指等を滑らせる動作がメインになってきますので、その限りではなく例外です。施術部分をしっかりとらえるまでは良いのですが、それ以降は面に対して垂直ではなく上から下に落とし込むような角度に施術の手指等をセットします。足裏を人さし指の第二関節背面で施術をする場合で言うと、第二関節はベッド面側、指の付け根が天井側に向くような傾斜状態です。その形のまま、上から下に、こそぐように落とし込んで下さい。

 滑らせることばかりを考えて施術すると、まともな圧がかかりにくかったり、均等な圧をかけにくかったりするので、お客様にモヤモヤ感を与えてしまう可能性が高くなります。滑らせるより先に、施術部分をしっかりとらえると言うことを忘れずに行うようにすることが大切です。

④仰向け状態での足裏の施術時、高さ的に、施術の手指より肘が高くなるように、イスに座るなどして術者の体勢を調整することによって上から下へ落とし込むような動きがやりやすくなります。

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横向き(側臥位)での施術ができない!苦手!

[原因]

①お客様の体勢が整っていない

②お客様の体を支えられていない

③押圧の基本ができていない

④解剖学の知識が足りない

[対策]

①横向きでの施術はお客様の体勢自体が不自然で、お客様の体全体的に余分な筋緊張があることも考えられます。理想的な横向きの体勢は、まず上半身はベッドに対して背中の面が垂直であり、脚は上にある方が前になっている状態です。上半身は前にも後ろにも倒れ込まないよう気を付け、膝は少し曲げておきます。

 例えば左向きの横向きの場合で言うと、右肩が体の天辺にあり、左脚が下後で右脚が上前です。頭には枕等を置き、背骨ラインをできるだけ真っ直ぐに保ちます。これで準備は完了ですが、必要に応じて胸や腹元に抱き枕やクッション等の支えを挟むと良いでしょう。特に妊婦の方は胸や腹元の支えを忘れず、体勢もしっかり気を付けて指示してあげるようにして下さい。

②体勢がしっかり整えば、後は通常通り施術部分に対して押圧や揉捏していけば良いわけですが、横向きの体勢はうつ伏せや仰向けとは違って安定感に欠けます。なので、いかに体勢を崩さず安定感を維持して施術できるかどうかが問題になってきます。

 例えば、横向けのお客様を後ろから押圧すれば当然前に倒れ込みます。しかし倒れてしまっては圧が入らなくなるので、お客様は腕の力や背中の力で倒れないよう頑張ります。その段階でお客様は全身が筋緊張状態と言っても過言ではありません。そんな状態で施術は成り立つでしょうか。きっとお客様は逆に疲れ、もう二度とその術者の施術は受けたくないでしょう。

 ではどうすれば良いか。施術をしている手指等と反対の手や腕で、お客様が倒れ込まないように支えてあげることが必要です。術者は両方の手や腕でお客様の体を挟み込むようにしながら体重移動で施術していきます。このとき施術の手は肩までの一直線が保てなくなり圧をかけることが困難になるはずです。施術の手側の肘を膝に当てて下半身の力で腕を支えると比較的やりやすくなります。ここでは具体的なフォームに関しては割愛致します。しかし、上記を考えながら試行錯誤すれば必然的にしっくり合うフォームが見つかるはずです。

③お客様の筋肉の盛り上がりをしっかりとらえ、その面に対して垂直に圧を加えることが原則です。施術のフォームを今一度、見直して下さい。

 ただし、横向きの場合は術者の両手を使って施術することができないので通常のフォームが完全適用できません。できるだけ余計な力が要らないようにするため施術部分をしっかり把握し、的確に圧を加えるようにすることが必要です。

④横向けの体勢になれば骨や筋肉の状態はそれに合わせて変化します。例えばご自身の肩甲骨に触れながら同側の肩を挙げたり下げたり後ろに引いたりしてみて下さい。肩甲骨があらゆる方向に動いているのが分かると思います。ご存知の通り、前腕は2本の骨で構成されていて捻る動作をできますが、その時の骨の状態は慣れない内はとても複雑に感じるかもしれません。

 その他の体の部分でもいろいろ試してみると良いでしょう。ただし、あくまでも状態の変化であって、決してそのものが変わってしまうわけではありません。骨の形や筋肉の付き方など最低限は理解し、体の動きに対して骨の状態はどうなるかを、ある程度イメージできるようになっておくことが必要です。

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専門的な質問をされるが、受け答えに困る

[原因]

勉強不足

[対策]

 リラクゼーションマッサージ(ほぐし)は本書執筆当時では、サービス業の位置づけであり、資格が必要なものではなく、誰にでも今すぐ始められる業です。しかしながら、お客様の体に触れて施術をする業務であると言うことをしっかり認識しなければなりません。軽い気持ちではダメで、いつ何時、お客様の体を傷めてしまうかもしれない、症状を悪化させてしまうかもしれないといったことを忘れず、その責任を常に感じていなければなりません。

 最初、お客様は術者の経験年数や技術、知識量なんて知るはずもありませんが、少なくとも我々術者はプロとして業務を行っているものだと信じていますので、あらゆる質問をしてくる可能性が常にあります。リラクゼーションマッサージ(ほぐし)店であればコリについてや、むくみについて等の日常的なものが多いですが、中には病気のこと等、かなり専門的なことを質問してきます。それはお客様が術者を信頼してくれているから飛び出してきた質問とも考えられるので嬉しいことです。言い換えれば、お客様は術者に的確な返答を期待しているとも考えられます。なので、決して適当に流さず、分かることは的確に答え、分からないことや、ぼやっとしていることは、その旨をはっきり伝えましょう。

後者の場合は「次回までに調べます」等と伝えて有言実行することが大切です。

 但し、全てを解決してあげようとせず、常に医師の診察を受けることが先決だと伝えることも重要です。全て解決してあげたい気持ちがいっぱいであっても、できることとできないことの線引きはしっかり行うべきです。

  具体的に勉強に関してですが、筋肉や関節の形、疾病について最低限の勉強は必要です。せめて筋肉の付き方や骨の形については、ある程度の理解を持って話をできなければなりませんし、そもそも、そうでなければ施術をする行為こそ怪しいものになってきます。

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施術部屋が狭い!施術やりにくい!

[原因]

①部屋が狭い

②ベッドの位置が悪い

[対策]

 部屋が狭くて術者の立ちスペースを確保できない。

なんていう場面もあります。店舗であれば改善の余地があるかもしれませんが、宿泊施設や個人宅の場合はどうしても融通が利かないことが多いと思います。

そのような場合は、お客様をまたぐ感じでベッドに乗ってしまうのが有効です。

ただ、そうすることによってベッド面方向への垂直圧はかけやすくなりますが、腰や肩など側方や頭方から圧をかけるのができません。それらに関しては狭いベッドサイドに降りるしか仕方がありません。でも諦めることはありません。肩の頭方からの圧や腰等で側方からの圧は、前腕の肘寄りの部分を使ってかけることができます。また腰や背中は立ってる側と反対側のラインを施術すれば効率良くなります。

 しかし、やはりできる限り十分な立ちスペースを確保することが理想的です。

そうでないと無理な体勢での施術になったり、はたまたそれがお客様の体に悪影響を及ぼす危険もあり得ます。そして思っているような施術ができなかったり思っている部分がどうしてもしっかり施術できないという事が起こり、結果的にお客様にとって不利益をもたらすことも考えられます。

②特にビジネスホテルや旅館の洋室で多い事例ですが、ベッドの位置が壁に密着していたり、ベッドの頭側に棚や壁がある場合はとても深刻です。お客様をまたぐ感じで施術できる範囲は問題ないのですが、頭側には入り込めないため肩の施術が困難極まりありません。その他、横の壁側にも入り込めないときも腰等の施術が困難です。このような場合は、施術を始めるまえに準備が必要です。一般的に良くないことではありますが、まずお客様に寝てもらう際に、頭と脚を反対になってもらいます。すなわち、枕側に脚、脚側に頭です。そして、できるだけ横の壁から遠い位置に寝てもらいます。よっぽど特殊なベッドや部屋でない限り、これらの対策によってある程度は問題解決できます。

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なんだか‥、やる気がでない。

[原因]

①日常生活の乱れ

②モチベーションの低下

[対策]

①指名が欲しけりゃ、プライベートも充実しないと!

本来、やる気が出ないなんて指名獲得を目指す上でもってのほかですが、やむを得ず日常生活の乱れによって眠気や心身状態不安定などに襲われることも間逃れないときもあるでしょう。

そんなときは、施術に入る直前に集中力を高めるための精神統一を行います。

しっかり背筋を伸ばし手のひらを上に向け、指先から空気を吸い込み、頭、肩、背中、腰、足先までしっかり巡らせるようにします。そして次にゆっくり逆の順序を巡って吐き出します。これを3回ほど行うことで気持ちが落ち着き、集中力を維持できる期待が持てます。

上手くいかないときこそさらなる向上と指名獲得のチャンス

向上心を持ち続け日々の施術にあたっても、やはり上手くいかなかった日があれば気分は落ち込みます。しかし、そんな上手くいかないときこそさらなる向上と指名獲得のチャンスです。

何がダメだったのか、どうすればそれを克服できるのか。考えて次の策を練ることによって徐々に道は開かれます。

もともと向上心なくして業務にあたっているとすれば、それは論外になります。根本的に向上心を忘れず着実に一歩一歩進むことが大切です。

 疑問や不安点は確実に消していきましょう。何が疑問か、何が不安かさえわからない状況に陥ることもあるかと思います。しかし、ほんの小さなことでも深刻にとらえて解消に努めましょう。そうすることによってモチベーションは上昇します。

 術者自身がそういった解決されない事がある限り、それはお客様へダイレクトに伝わります。

お客様の費やしている時間とお金、そして期待感を決して忘れないで下さい。

 指名数を追うことも大切ですが、お客様からお金をいただいている以上、しっかりプロとして最大限の努力が必要です。

もし、どうしてもやる気が出ない時は厳しいようですが業務を中止して現場に出ない方がよっぽどマシです。

やる気がない者が現場にいれば、お客様に失礼であり、貴重な時間やお金を無駄にさせることになります。そして周りのセラピストにとっても悪影響です。周りのセラピストがベテランであればまだしも、素人であれば、そのやる気がない術者のことでさえ正しく感じて見習おうとしてきます。施術は技術だけではありません。心意気も大切な要素の一つです。

なお、やる気がなくて帰る場合は、当たり前のように帰るのではなく、正直に「申し訳ないが今日はやる気が出ない」という旨を周りのセラピストにしっかり伝えて下さい。

そして何が原因なのか十分に考えて、早期復帰を目指しましょう。

 万が一、原因が分からない場合は、単にこの業が合ってない可能性もあるので思い切ってこの業を辞めることも選択肢の一つだと考えられます。