すべて ほぐし問答集
足つぼが上手くできない!思うように力が入らない

[原因]

①お客様の足の位置が好ましくない

②足の支えがしっかりできていない

③施術の指の角度が好ましくない

④術者の体勢が好ましくない

[対策] 

①足はベッドからはみ出していても入り過ぎていてもいけません。ベッドの端から5センチメートル入っているくらいが理想的です。はみ出していると術者が足を支えることが困難になります。特に支えている側の手指に余計な力が必要になり負担が大きくなります。

 そして、ベッド端から入りすぎていると、支えることは楽になりますが、かかと側(仰臥時)の施術の際に、施術の手指が入り込みにくくなり施術が困難になることがあります。

 なお、長座の状態で足を理想的な位置に合わせてもらっても、上半身を寝かせたときに体全体が頭方向にずれ、結果的に足がベッド端から入りすぎる場合もあるので気を付けましょう。お客様に何度も調整させるのは良くないので、最初にバッチリ決めたいところですが、決まらないときは何度でも調整してもらうことはやむを得ません。それは結果的に施術のやりやすさ、お客様の満足度に関わるので妥協はできません。

②お客様の脚(足)の形や様々で、必ずしも術者にとってやりやすい状態ではありません。それを、いかにやりやすい状態に持っていくことができるかどうかで施術効果が左右されます。しっかり支えて術者の両手で足を挟みこむようにして施術しましょう。

③しっかり面をとらえて、それに対して垂直に圧をかけられていますか?と言いたいところですが、足つぼに関しては施術の手指等を滑らせる動作がメインになってきますので、その限りではなく例外です。施術部分をしっかりとらえるまでは良いのですが、それ以降は面に対して垂直ではなく上から下に落とし込むような角度に施術の手指等をセットします。足裏を人さし指の第二関節背面で施術をする場合で言うと、第二関節はベッド面側、指の付け根が天井側に向くような傾斜状態です。その形のまま、上から下に、こそぐように落とし込んで下さい。

 滑らせることばかりを考えて施術すると、まともな圧がかかりにくかったり、均等な圧をかけにくかったりするので、お客様にモヤモヤ感を与えてしまう可能性が高くなります。滑らせるより先に、施術部分をしっかりとらえると言うことを忘れずに行うようにすることが大切です。

④仰向け状態での足裏の施術時、高さ的に、施術の手指より肘が高くなるように、イスに座るなどして術者の体勢を調整することによって上から下へ落とし込むような動きがやりやすくなります。

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横向き(側臥位)での施術ができない!苦手!

[原因]

①お客様の体勢が整っていない

②お客様の体を支えられていない

③押圧の基本ができていない

④解剖学の知識が足りない

[対策]

①横向きでの施術はお客様の体勢自体が不自然で、お客様の体全体的に余分な筋緊張があることも考えられます。理想的な横向きの体勢は、まず上半身はベッドに対して背中の面が垂直であり、脚は上にある方が前になっている状態です。上半身は前にも後ろにも倒れ込まないよう気を付け、膝は少し曲げておきます。

 例えば左向きの横向きの場合で言うと、右肩が体の天辺にあり、左脚が下後で右脚が上前です。頭には枕等を置き、背骨ラインをできるだけ真っ直ぐに保ちます。これで準備は完了ですが、必要に応じて胸や腹元に抱き枕やクッション等の支えを挟むと良いでしょう。特に妊婦の方は胸や腹元の支えを忘れず、体勢もしっかり気を付けて指示してあげるようにして下さい。

②体勢がしっかり整えば、後は通常通り施術部分に対して押圧や揉捏していけば良いわけですが、横向きの体勢はうつ伏せや仰向けとは違って安定感に欠けます。なので、いかに体勢を崩さず安定感を維持して施術できるかどうかが問題になってきます。

 例えば、横向けのお客様を後ろから押圧すれば当然前に倒れ込みます。しかし倒れてしまっては圧が入らなくなるので、お客様は腕の力や背中の力で倒れないよう頑張ります。その段階でお客様は全身が筋緊張状態と言っても過言ではありません。そんな状態で施術は成り立つでしょうか。きっとお客様は逆に疲れ、もう二度とその術者の施術は受けたくないでしょう。

 ではどうすれば良いか。施術をしている手指等と反対の手や腕で、お客様が倒れ込まないように支えてあげることが必要です。術者は両方の手や腕でお客様の体を挟み込むようにしながら体重移動で施術していきます。このとき施術の手は肩までの一直線が保てなくなり圧をかけることが困難になるはずです。施術の手側の肘を膝に当てて下半身の力で腕を支えると比較的やりやすくなります。ここでは具体的なフォームに関しては割愛致します。しかし、上記を考えながら試行錯誤すれば必然的にしっくり合うフォームが見つかるはずです。

③お客様の筋肉の盛り上がりをしっかりとらえ、その面に対して垂直に圧を加えることが原則です。施術のフォームを今一度、見直して下さい。

 ただし、横向きの場合は術者の両手を使って施術することができないので通常のフォームが完全適用できません。できるだけ余計な力が要らないようにするため施術部分をしっかり把握し、的確に圧を加えるようにすることが必要です。

④横向けの体勢になれば骨や筋肉の状態はそれに合わせて変化します。例えばご自身の肩甲骨に触れながら同側の肩を挙げたり下げたり後ろに引いたりしてみて下さい。肩甲骨があらゆる方向に動いているのが分かると思います。ご存知の通り、前腕は2本の骨で構成されていて捻る動作をできますが、その時の骨の状態は慣れない内はとても複雑に感じるかもしれません。

 その他の体の部分でもいろいろ試してみると良いでしょう。ただし、あくまでも状態の変化であって、決してそのものが変わってしまうわけではありません。骨の形や筋肉の付き方など最低限は理解し、体の動きに対して骨の状態はどうなるかを、ある程度イメージできるようになっておくことが必要です。