もっと強く?もう限界なんだけど‥

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[原因]
①施術ポイントが合っていない、またはテコの原理を利用していない
②圧をかける方向が間違っている
③体重がうまく乗せられていない
④コリやハリまで到達していない

[対策]
①まず、圧をかけるとは、術者の体重を施術部分に対して乗せることを言います。
なので、いくら力で押そうとしても、体重の重さが限界なわけです。とは言え、体重を一点に全て乗せることなんてかなりアクロバティックな技が必要ですし、そもそも施術としては現実的ではありません。

  ではお客様に効いてると実感してもらうようにするにはどうすれば良いか。
握力で頑張りますか?状況によってそれも良いかもしれませんが、施術を持続させることを考えれば効率が悪く、やはり最善の策とは言えません。答えは、コリにしっかりと施術の手指等が当たれば良いのです。コリにしっかり当たれば、それだけでまず第一段階として少なからず効いてる感を与えることができます。そうなればそのコリを逃さずに圧をかければ良いのです。

 そして、さらに効果的な方法として、テコの原理を利用する手段があります。
通常、コリをしっかりとらえて圧をかけれ良いのですが、普通に直圧しようとすると、コリはゴロンと移動しますので思うように圧をかけられず不安定なものになります。ですのでそれを防ぐための方法があります。それはプレス法という技術で本書の後半にある補足にて説明がありますので、ここでは簡単に説明します。
 コリの奥から皮膚やタオル等のたるみを引っ張ってくるようにし、奥に突っ張り、手前にたるみがある状態で支点を作っておき、その状態を保持します。支点とは、指で施術する場合は指先の範囲(第一関節より先側)、主根で施術する場合は主根の手関節に最も近い部分を言います。支点を作れば、そこからテコの原理で倒しこみ、施術の手指等と奥の突っ張りでコリを挟み込んでいくようにします。単に倒すだけでは施術面が斜めになってしまい直圧できないので、支点の浮かせ具合を調整しながら行います。そしてコリをしっかりとらえた状態で、指や手、肘、肩の角度を調整し直して、効率よく体重が乗せられるような体勢に合わせた上で、コリを逃さないように体重を乗せます。
 このテコの原理を利用した方法で施術を行うと、通常の方法に比べて体重をかける量が激減し、数倍楽に施術ができます。

②せっかくコリを見つけることができて触れていても、圧をかける方向を間違えば、効いてる感を与えるどころではなく、むしろ皮膚が引っ張られるような不快感を与えることになります。圧をかける方向は原則として、施術面に対して垂直です。面の状態を即座に判断して押圧の方向を定めます。それができれば手指等の角度、体勢調整をし直してから体重を乗せましょう。

③上記を上手く実践できていて、それでもまだ強くと言われるとすれば、体重の乗せ具合が不十分と考えられます。体重をしっかり乗せるには極力、無駄な力が入らないように効率の良い体勢を作る必要があります。施術の手指等から肩までをできるだけ一直線にし、それを実現できるような位置に体を移動させ、必要に応じて腰を落としたり背伸びしたりします。これは施術部分の一箇所一箇所に対して調整が必要です。とても面倒で余計に疲れるように思われるかもしれませんが逆に、身に付けて自然な動作にしてしまえば、とても楽で疲れにくいものになり、さらにはお客様の満足度も変わってくるはずです。

④施術部分の深層まで届いていますか?特にコリは皮膚や脂肪より深いところにあります。基本的に筋肉の深さまで圧が到達して、ようやく本質の施術が始まると言っても過言ではありません。

  その方法は、まずお客様と術者の接する部分をセットできたら、その面に対して垂直方向に自然にゆっくりと体重を乗せていきます。このとき、指で施術を行うのであれば、指は固定状態にし、手首の返しで微調整をします。揉むなどの動きは基本的に不要です。体重を乗せていくと、どこかで沈み込みが止まる段階を感じられます。そこが筋肉への到達点と言えるでしょう。さらに、その段階よりわずかに圧を加えます。そうしてたどり着いたところが理想的な圧の深さです。ただし、お客様によっては異なることもありますので、随時確認しもって行うようにして下さい。

 なお、なかなか沈み込まないときは、圧を加えた状態でしばらく待つことも一つの手段です。多少、術者への筋肉の疲労増加は否めませんが、やむを得ません。

  ハリが強すぎて一定の深さで跳ね返されるという現象に遭遇する場合があるかもしれません。それはお客様の体の表面的な緊張が強いために起こっていると考えられます。そうなれば、そこの部分だけに執着せずに他に関連がありそうな部分を先に施術しましょう。そして後程に跳ね返りが強かった部分に戻ります。他の部分の施術が上手くいっていれば、そこそこ跳ね返りは弱くなっている可能性がありますので試してみて下さい。

 ただし、そのような方法をとる際は、お客様に説明した方が無難です。例えば、お客様が肩のダルさを訴えているのに、少し触れただけで何も言わずして他の部分に移動すると、お客様にその意図は伝わらず、肩はもう終ったと誤解されてしまい不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。思うように圧が加わらないのには何かしらの原因があると考え、決して力任せな施術は行ってはいけません。

 また、圧をかけるのが指なのか手掌なのか、施術に使う術者の体の部分それぞれ面の広さが違い、一点にかかる圧の具合が変わりますので状況に合わせて使い分けると良いでしょう。ただし、特に指先や肘頭等の最も狭い面の部分を使う際は慎重に体重の乗せるようにしましょう。最も肘頭を使うときは最大限の注意が必要です。
 なお、手掌や前腕は面が広いからと言って油断してはいけません。
肋骨のように、しなりのある曲面状の骨は前後や左右からの、比較的弱い圧力によってでも骨折してしまうこともありますので決して気は抜けません。

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