施術マニュアルを覚えるのが大変

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【主な引用文献】

[原因]
 筋肉や骨格を理解できていない

[対策]
 基本的に考えると施術の流れは一定ではなく、お客様一人一人で異なるものだとする方が自然です。マニュアルを教わってその通りに施術を進めていくこともリラクゼーション(癒し)だけが目的であれば良いことです。しかし、もしコリやハリの除去や緩和によってお客様の症状緩和・改善を目指すのであれば一定の流れにとらわれてはいけません。
 コリやハリはその部分単体で発生しているわけではなく、その部分を含む筋肉全体やそれに直接隣接している筋肉、または体全体の動きとして関連のある筋肉からの影響を受けています。もしかするとそれは筋肉以外にも骨や内臓であるかもしれませんが、ここでは筋肉のみで話を進めます。

 例えば、肩の肩甲骨上角(肩甲骨上内側の角)の上あたりにダルさを訴えられているとすれば、その部分だけを施術すれば良いというわけではなく、その筋肉全体の硬さや動きを調べて施術する必要があります。その筋肉とは肩甲挙筋や僧帽筋なんかがそうですので施術が及ぶべき範囲としては首の後ろ側から肩甲骨上角、さらに肩の端っこや背骨沿いまで広範囲です。これは筋肉の骨への付着範囲を基にしたものですので、解剖学(筋の起始、停止)の知識が必要です。そして肩甲骨の動き自体を考えると、肩甲骨の内側や外側も併せて調べる必要があります。
 さらに、それらの筋肉の作用の一つとして肩甲骨挙上があります。これは逆の作用で考えると首を後ろに曲げることでもあります。肩甲骨上角付近の筋肉に何かしら症状があるので、その筋肉に継続的な緊張がたったのかもしれないという仮説を立てたとします。ではそれはどんな状況で起こるか。もしかしたらそのお客様は良い姿勢を保とうとして肩を後ろに引く際に力んでしまって挙げぎみになっていたのかもしれません。もしくは、背中が丸いので、それを補うために首を後ろに曲げて顔を起こしていたのかもしれません。いずれにせよ、それによって引き起こされる症状として、首の前側の疲れ、背中から腰の疲れ、脚の疲れ等あらゆるものが考えられますし、そもそも肩甲骨上角の筋肉の症状を発生させている原因として姿勢やストレス、筋力低下、疾患等も考えられます。

  少しややこしい話になりましたが、残念ながらこれらははっきりとまとめることはできません。人それぞれで生活パターンや体型が異なるので個別に考えていくことが必要です。

 これらの説明でお気付きのように、コリやハリを除去、緩和させるためにはマニュアル通りで一定の流れの施術にとらわれず、おおよその見当をつけながら、お客様と相談の基に組み立てていくことが理想です。ですので、決まった施術の流れは実践的ではなく、あくまで練習の過程として認識すれば良く、それが全てだと思う必要はありません。しかし店の決まりで、流れを覚えることも必要なときがあります。そのときは丸っきり理解しようとはせずに、筋肉の付き方を基にマニュアルの型を当てはめていくと効率良く、しかも無駄なく覚えることができるはずです。

  いずれにせよ施術の基本を的確に修得していくことが何よりも先決であり、それが実践的な施術を行うための根源です。整体補足事項で詳しく説明がありますのでご確認下さい。

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