[原因]
①ポイントを絞り切れていない
②施術ポイントが狭い
③筋の端々が施術おろそか
[対策]
①コミュニケーションが指名獲得への第一歩
まず最初のコミュニケーションで、お客様が訴える疲れ等の部分を明確に確認できていますか?
お客様が肩や腰と言ったときに、漠然と受け取らずにしっかりと具体的な部分を聞き取ることも準備段階としては大切です。さらに、もし可能であれば、「どういう時に? どんな感じで? いつから? 思い当たるきっかけは?」などを合わせて聞いてみたり、もっと言えば普段の姿勢から訴えの部分や原因を特定するため、日常の生活スタイルなんかも聞き取ることができればベストです。
そしてベッドに寝転ぶ前でも後でも良いので、聞き取って得た情報を基に、実際にお客様の体に触れて訴えの部分を確認します。実際に疲れや痛みの箇所に触れて確認することで、お客様にとって安心につながりますし、セラピストに対する信頼と満足度アップや指名に影響するでしょう。
さらっと聞けば、ここまでの作業にかかる時間は2~3分です。長いか短いかは人それぞれの感覚ではありますが、聞き取りを行うことによって、その後の施術の進めやすさや施術効果が左右されることは明確です。
このように、まずはしっかりとお客様の話を聞き取って触れて施術部を絞り込み、そこに術者自身の見解を加えて施術を進めていけば、より的確で素早い満足を与えることができます。施術の合間合間でも、強さや効き具合を随時確認することも忘れないで下さい。
細かいことのようですが、施術の技術や心地よい接客スタイルと同等に重要なことです。本気でお客様のことを考え、「満足してもらいたい」「指名してもらいたい」と思うのであれば、確実に実践できるようにしましょう。
②部分ごとに完結した施術になっていませんか?
例えば肩から腰に施術部分を移動するとします。このとき、しっかりと背中全体に圧をかけながら移動できているでしょうか。
施術部分の移動はお客様の体から手を離さずに行うのが原則で、さするように移動するのでもかまいませんが、できればしっかり圧をかけながら移動する方が心地良さを継続させることができます。
移動の際に手を離されたり、素早くサラッと移動されると、お客様としては細切れな感覚になり、不安を覚えてしまう可能性があります。不安を与えてしまうと、満足アップや指名獲得から遠のいてしまいます。
実際に筋肉は細切れで構成させているわけではありません。例えば僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋等は肩周りから腰までに広がる大きなものです。コリやハリは一部の症状であっても、それが現れている筋肉全体からの影響の場合もありますし、その周辺の他の筋肉からの影響であることも考えられます。お客様自身が気付いていない部分でも、術者が少し触れてみるとコリがあり、お客様にも心地良く感じていただけることが多々あります。それを無視して細切れで施術を進めていくことは、お客様に不満を覚えさせることになり得ることは想定できますし、そもそも施術の効率性からすると、
細切れではなく症状を訴える部分とその周囲の様子を考え、一連の流れで進めることが理想的です。
また、一つの筋肉に対して施術する際、これもまた数箇所の点だけを細切れのように施術して終わらずに、全体を手根や手掌等で揉捏するなどして、点で触れ切れなかった部分を補足するようにしましょう。
③部分的ではなく全体的に施術するよう意識しましょう。
施術する部分、その筋肉の端から端もしっかり施術することでお客様の満足感はもちろん、施術効果も最大限に発揮できます。筋肉の端には骨との繋ぎ目である腱と言う組織があります。腱が硬い状態では筋肉が緩むことは考えにくく、やはり腱の可動性回復は重要なことです。
腱に触れる際の重要事項として、むやみに強い力をかけないことです。腱にむやみに強い力をかけると反射的に筋肉が収縮することがありますので、揉捏ではなく、ゆっくり押し伸ばして保持する施術が効果的です。
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