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【主な引用文献】

正しい姿勢は健康の源

 老化とは、死に向かう過程で起こる様々な体の変化であり、事実、その変化を食い止めることは現実的に不可能であり、常時進行している。しかし、その変化のスピードを緩めたり、見た目の状態を実年齢よりも若く見せることは可能であるのではないかと思う。
 我々、人間の体は自律神経やホルモンバランスによって、生まれながらにして無意識に生命活動を最適な状態に保とうとしています。これを恒常性の維持と言いますが、正しい姿勢でいることは、いわば体の状態をニュートラルに保つことであり、その恒常性維持の力を最大限に発揮できるものであろう。さらには筋肉や内臓等への負担も最も小さく抑えられ、結果的に若々しさを保てたり、肩コリや腰痛等の症状も予防できるものだと考えられます。

  しかし、私たち人間は日常生活において自ら姿勢を悪くし、それらを阻害している可能性があります。それに気付き、改善を試みることによって次に挙げるような様々なメリットがあります。まずはそのメリットをご説明致します。決して大げさな表現ではなく、正しく実践すれば効果は現れるものだと考えられます。たかが姿勢、されど姿勢。しっかり認識して着実に取り掛かりましょう。

■アンチエイジング効果

①見た目が美しい

  背中が丸いと実際の年齢よりも年老いて見えたり、やる気がなさそうに見えます。そして腰が前に出ている姿勢でいると、実際に腹が出ていなくても出ているように見えます。

 これらは逆に言い換えることもできます。背中が丸くなければ実際の年齢よりも若く見えたり、やる気があるように見えます。腰を正しい位置にすれば、実際に少々腹が出ている人でも出ていないように見えます。

 次の写真はそれぞれを比較したものです。同じ人物でも雰囲気がガラッと変わります。

 (真ん中 : 正しい姿勢、両端 : 悪い姿勢)

立ち姿勢比較
座り姿勢比較

②血液や神経の流れの効率が良い

 血液は全身に栄養や老廃物等を運び、神経は筋肉や内臓を機能させるための重要な役割を担います。当然、できるだけ流れを阻害されずにスムーズな方が効率は良くなります。正しい姿勢は、それを実現させるために役立つ体の状態と言えます。
 血管が圧迫されて流れが阻害されれば、栄養を運ぶことや老廃物除去に支障をきたし、たるみ等の老化に繋がります。

 神経の流れが阻害されると、筋肉の柔軟性や内蔵機能が低下したりして全体のバランスが崩れてしまいます。そうなると、やはり老化に繋がると考えられます。

③内臓の位置を正し、機能効率を上げる

 例えば大腸で考えてみましょう。大腸は腹部にあり、栄養吸収や排便などの重要な役割を担っており、やはり正しい位置にあることが理想だと言えます。通常、正しい姿勢でいれば大腸も正しい位置にあることができますが、腰が前に出ている姿勢になれば骨盤が開き、腹部内のスペースが広くなります。そうすると大腸や、それに付随して他の内臓も重力によって下がることになります。

■他にも嬉しいメリットがいっぱい

④頭が冴える

 ご存知の通り、我々人間は肺で呼吸を行い酸素を取り込んでいます。呼吸時に、肺を最大限に膨らませることができれば酸素をより多く取り込めますが、逆に肺を膨らませることに制限がかかればどうでしょう。取り込める酸素の量は減ってしまいます。さらにその酸素は、首の骨の隙間を通っている血管に乗って脳に運ばれるのですが、姿勢状態によって、その血流が阻害されてしまいます。
 これら、肺の膨らみや脳への血流を効率の良いものにさせることが頭の冴え・集中力アップに繋がります。それを実現するため、最も根本的に必要なのが正しい姿勢なのです。 言い換えてしまえば、正しい姿勢でいるだけで脳や体全体に多くの酸素を送り込むことができるのです。

⑤体が楽になる

 人体骨模型をご覧になられたことはあるでしょうか。模型のメーカーにもよるので一概には言えませんが、あの骨の姿勢で、その周囲に筋肉や内臓等がある状態が最もニュートラルで理想的です。模型で考えてみると当たり前のことですが、体のバランスが前後左右に片寄れば、本来そのまま倒れてしまいます。人間の場合、バランスを崩しても倒れずに立っていられるのは筋肉等で支えているためです。
 姿勢が悪いということはバランスが悪いということです。それがわずかなものであったとしても、常に筋肉等に負担がかかっており、積もり積もっているわけです。

 正しい姿勢は体のバランスが良い状態であり、これらを事前に回避できる可能性に大いに期待できる素晴らしいものです。姿勢療法といってしまっても過言ではありません。

⑥気持ちが明るくポジティブになる

 気持ちが落ちているときは背中が丸まることがあります。もし、気持ちは正常であったとしても背中が丸いと、何となく気持ちの落ち込みにつながってしまいます。これらを逆に考えれば、気持ちが明るいときは背中がシャキッとなりますし、もし、気持ちが落ちていても背中をシャキッとすれば、何となく気持ちが明るくなることがあります。
 個人差はあると思いますが、少なからず姿勢と気持ちには関連性があるようです。

 実際のアンケート結果がありますのでご覧下さい。
「姿勢と気持ちのアンケート」
平成23年実施 10代後半~80代前半の男女206名対象
(一般社団法人日本姿勢教育協会 姿勢教育指導士資格認定講座テキスト 2015年版より引用)
●背中を丸めて前向きに考える・・不自然または、どちらかといえば不自然に思う
96%
●背中を丸めて幸せな気持ちになる・・不自然または、どちらかといえば不自然に思う
85%(自然だと思うと答えた人は0%)
●背中をシャキッとして後ろ向きに考える・・不自然または、どちらかといえば不自然に思う
82%
●背中をシャキッとして不幸な気持ちになる・・不自然または、どちらかといえば不自然に思う
87%

⑦認知症の予防

 悪い姿勢での歩行は、正しい姿勢での歩行に比べて歩幅が減少または、無理な歩行になります。歩幅が減少すれば認知症になるリスクが上昇するとされています。
 東京都健康長寿医療センター研究所によると、歩幅がどんどん狭くなる群は、歩幅が広いままで保たれる群より認知症の発症リスクが2、8倍高くなる傾向にあることがわかり、歩行速度で重要なのは、歩くテンポより歩幅だとしています。(週間朝日 2017年4月7日号より一部抜粋)

⑧ダイエットの効率性アップ

 正しい姿勢で内臓、血液や神経等を良い状態に保つことによって、栄養素の消化・吸収・排泄等の生理機能が正常に働くと考えられます。それにより、ダイエット効果アップを期待できます。もし、正しい姿勢に無関心でダイエットに励んでいる方は、残念ながら無駄または効率の悪い努力だと言えます。


姿勢タイプ

 姿勢が悪くなることは下記のような日常生活動作から考えて、明らかであり誰もが直面することです。
・手元の作業は下を向かないとできない。
・腕や目が前にあり、だいたいの作業時に丸くなる。
・背中を丸める機会に比べて、背中を伸ばす機会が圧倒的に少ない。
・丸まっていることが普通になり、それが楽だと錯覚する。

 これらを受け止めて何かしら対策をとっていこうとするのか、はたまた「私は元々、猫背だから仕方がない。」「一日中パソコンと向かい合っているから姿勢が悪くなっても仕方がない。」と、当然のように受け入れて改善の努力をしないのか。
後者は論外とし、前者のように関心を持っていても行動に移さないでいれば意味がありません。私の知っている限り、諦めているのか、正しい姿勢の効果を信じていないのか、私の伝える熱意が足りていないのか理由ははっきりと分かりませんが正しい姿勢を理解して実践しようとする人は少数です。中には我流で姿勢を正している人もいますが、間違った方法で実践していると危険が伴う可能性があるので避けたいところです。

 たしかに、いくら正しい姿勢を理解して実践しようとしても、上記のような日常生活動作をやめることは簡単ではありません。でも諦めないで下さい!正しい姿勢の重要性を知り、ある程度の知識を持っておけば、それは大きな力となります。例えばデスクワークの場合、パソコンや資料等の位置を調整することで今よりは正しい姿勢を実践できるような環境に変えることができるかもしれません。長時間同じ座り姿勢が続けば背骨を逆反りしたり社内を散歩するかもしれません。時間がなければ、せめて座り姿勢を見直すかもしれません。空き時間や休日を使ってトレーニングや体操をするかもしれません。

 そうです、今まで気にもしていなかったことが気になり始めて、自ら何らかの行動を起こすようになるはずです。そんな小さな気付きや行動が嬉しい効果をもたらします。ですので、正しい姿勢効果を信じて、日常生活動作による当たり前の悪姿勢に屈することなく前進していただきたく思います。

 では、ここで姿勢タイプの分類と、それぞれが引き起こしうる症状例を挙げてみます。まずは図の中から、ご自身の姿勢タイプで当てはまるものを見つけ出し、その後の図で現れうる症状をご確認下さい。

 立っているときと座っているときの姿勢タイプは異なる場合もあるので、それぞれの姿勢をチェックしてみて下さい。また、姿勢タイプは一つに限らず複合的に現れることもありますので念頭に置いておいて下さい。

 なお、姿勢タイプの分類は、一般社団法人日本姿勢教育協会および同協会理事碓田拓磨氏による定義(猫背の6種類の分類方法)を参考にしています。

あなたの立ち姿勢は?
あなたの座り姿勢は?

猫のような姿勢(円背)
頭の前倒れ
尻突き上げ
腹突き出し
理想的な姿勢

 正しい姿勢以外になっている人は、しっかり自覚するようにしましょう。仮に正しい姿勢である人も、その方法を間違っている場合もあるので、念のために次章で解説する正しい姿勢の実践方法をご確認下さい。


健康の基盤を作る

 それでは実際の方法についての説明ですが、結論から言えば次に挙げる3つを難なく実現できれば基盤作り完了です。これらは私、独自の整体理論から引用したものであり、体の状態をニュートラルにもっていく上で原点といえますが、これだけを読んだところで、では何をすれば良いの?ってなると思います。これら3つを踏まえて、具体的にどうすればいいのかを次ページにて「実際に行うべきこと」と題して説明致します。図と併せてご確認下さい。

1、正しい姿勢を理解し、実践する(これが全てと言っても良いくらい重要です)

 難しい、辛いことだと思われる方もいらっしゃいますが、順序を踏まえてゆっくり進めていけば簡単なことです。諦めず信じて進めることが大切です。

2、筋力バランスを整える・筋肉の柔軟性を回復させる

 正しい姿勢を実践すれば次第に筋力バランスは整うので、特別に気合いを入れて筋力トレーニングに励む必要はありません。むしろ筋力トレーニングだけでで全身の筋力バランスを整えることはとても困難で無意味なものだといえます。
 但し、筋肉の疲れや硬くなった部分があると、思うように正しい姿勢を保つことが困難になり得るので筋肉の柔軟性を高めるための最低限のトレーニングは必要です。

3、関節の動きを柔軟にする

 関節の動きが鈍いと正しい姿勢を保つことの妨げになり得るので、関節の柔軟性もまた必要です。

■「実際に行うべきこと」は下記①②だけ!

①正しい姿勢の実践

(一般社団法人日本姿勢教育協会 姿勢教育指導士資格認定講座テキスト 2015年版参考)
[目的]
 正しい姿勢とは理論上、骨だけで自立できる状態、すなわちニュートラルな状態です。実際には骨だけで自立することは不可能ですが、それに近づけることによって筋肉や内臓等への負担を減らすことが期待できます。
 ここでは、ニュートラルな状態の実現のための具体的な”体の形”をご理解していただきます。次に挙げることを一つずつ確認しながら、試しにやってみて下さい。最初は慣れなくて辛いと思います。仕事の種類によって、環境によっては、どうしようもない人もいらっしゃると思います。しかし、まずは定義として理解して覚えてしまって下さい。

<立っているときの横から見た姿勢>
・足裏は全て地面に付いている。両足の間隔は腰幅程度。
・かかと、尻、背中、頭が壁につく。
・肩の頂点と耳穴の位置に前後差がない。
・顔の面(額とアゴを結んだ線)が壁と平行。
・腰の後ろに手のひら一枚分ほどのスペースがある。
<座っているときの横から見た姿勢>
・足裏は全て地面に付いている。両足の間隔は腰幅程度。
・肩の頂点と耳穴の位置に前後差がない。
・顔の面(額とアゴを結んだ線)が壁と平行。
・肘を90度曲げて手の平が天井に向く形で太ももに乗せる。肘はやや体の後ろにくる。
・股関節、膝関節、足関節を約90度に保つ。
<正面または背面からみた姿勢 / 立・座共通>
・足裏は全て地面に付いている。両足の間隔は腰幅程度。
・耳穴、肩の頂点、腰のくびれ、脚の付け根の膨らんだ部分、膝の皿が左右対称
・目線は正面

正しい立ち姿勢
正しい座り姿勢
正しい立ち姿勢(正面)

 歩行中や自動車や自転車、バイク等の運転中も同様に、これらの姿勢を意識するようにして下さい。中でも乗り物で移動中は、振動が大きく体は上下左右に揺らされますが、特に上下の揺れには気をつけたいところです。首・背中や腰が丸い状態はそれだけで不安定ですが、そこに上下の揺れが加わると背骨はさらに不安定になります。お分かりの通り、それを補うために筋肉には大きな負担がかかります。また、首や腰が丸くなるという状態は、通常と反対にカーブしているということになります。そこに上下の揺れが継続して加わると背骨と背骨の間の軟骨が後ろに飛び出て神経を圧迫してしまう、いわゆるヘルニア症状に発展する可能性があります。

②簡単フィットネス

 フィットネスといえば馴染みのない人にとっては何だか面倒くさいことかもしれませんが、文字の通り、本当に簡単です。ここで言うフィットネスとは、筋肉や関節の柔軟性を回復・維持する目的で行うものです。筋肉の柔軟性というとストレッチが最初に思いつきそうですが、ストレッチをして筋肉を伸ばすだけが柔軟性回復の方法ではありません。筋肉は収縮と弛緩を繰り返すことによって柔軟性が出てきます。具体的には次に挙げるような方法です。ここではまだ実践する必要はありませんが、何となくのイメージをしておいて下さい。

  簡単フィットネスとは言うものの、闇雲に行わず、しっかりと目的と要点を理解した上で行うようにしましょう。そうすることで効率性アップに繋がります。 

 また、注意事項として、体の痛み等の不調がある場合は無理して行わず様子をみるか、専門家にみてもらうようにして下さい。

●ちょいトレ&ストレッチ(必ずセットで行う)
[目的と要点]
 姿勢を保持するために必要な筋肉の柔軟性を高めるために、筋肉の収縮と弛緩を繰り返します。筋力アップすることが目的ではないので無理な努力は不要です。そして、ちょいトレ後のストレッチは筋肉の緊張を残さないために必要です。ストレッチを怠れば筋肉は緊張したままになり、柔軟性を出すどころか逆の結果を導いてしまう可能性があるので気をつけましょう。

  ここで紹介している、ちょいトレは、簡易的で最低限のものです。余裕がある人はこれら以外にも何かしらのトレーニングを行うと尚良いでしょう。但し、最低限のものとはいえ、要点を絞って考えたものですので、しっかり行えば姿勢維持のみならず、肩コリや首コリの緩和、疲労回復にも役立ちます。

体の前側の簡単トレーニング
体の後ろ側の簡単トレーニング
あし周りの簡単トレーニング
腹の簡単トレーニング

腹の簡単ストレッチ
体の後ろ側の簡単ストレッチ
あし周りの簡単ストレッチ

●いつでも体操 | 腰痛予防体操、キャットレッチ、キャットレ棒
[目的と要点]
 日々の疲れや、体への負担の蓄積によって骨盤や背骨、肩甲骨が硬くなるのを防止し、柔軟性を出す。いわば、体のリセットである。
 いつでも体操はネーミングの通り、いつでも手軽に3分程度あればできます。たかが3分、されど3分、手が空いたらいつでもやりましょう。

いつでも体操(腰)
いつでも体操(背骨の柔軟性アップ)座位
いつでも体操(背骨の柔軟性アップ)仰臥位

背骨柔軟性アップに役立つグッズ二選

 筋肉や関節の柔軟性を高めるために整体施術を受けることも手段の一つではあります。しかし、そればかりに頼ってしまうと自力で改善・維持しようとする力が衰えてしまう懸念があります。
 人間も一種の動物であり、文字の如く「動く物」です。極力、自力で行うことが理想でしょう。整体施術は必要最低限の補助的なものと考え、うまく利用していくことが体にとっては良いことだと、私は思います。


努力だけではダメ

 これまでの説明で、正しい姿勢の重要性はお分かりいただけたでしょうか。しかし、生活の中で全ての時間を正しい姿勢で過ごす必要はありませんし、そうすれば、むしろ逆効果となる場合もあります。最終的に、正しい姿勢の実践時間の目安として割合でいうと、一日の活動時間内の6~7割程度にとどめ、残りは楽に気を抜いて体を休めます。その割合に関しての個人的な実験の結果がありますので記載しておきます。

「スロット遊技中における、姿勢状態による疲労感と蓄積日数」
(自筆ブログ「かたもみ録」2016年4月1日投稿分より一部抜粋)
●スロット遊技中の実験を選んだ理由
 もちろんのこと、決してスロット遊技することを勧めているわけではなく、次のような理由からスロット遊技中における実験を試みました。
一、悪い姿勢と正しい姿勢を自らの意思で簡単に切り替えることができる。
一、いつでも立ち上がって簡単な体操ができる。
一、10時間という長い時間でも、さほど無理なく座っていることができる。
●実験方法
一、1日約10時間の遊技である。
一、2~3時間に一度は必ず腰痛予防体操とキャットレッチ(前章の図にて説明の、いつでも体操①、②)を行う。
一、ストップボタンを押す手を定期的に左右チェンジする。但し、コインを投入するのは全て右手
  これらの同一条件の下に、悪い姿勢と正しい姿勢それぞれの時間的な割合を変化させ、割合別に疲れの具合を主観的な感覚で記録する。なお、悪い姿勢とは姿勢タイプを限定するものではなく、その時々で楽だと感じた姿勢のことである。
●実験のパターン
A,正しい姿勢と悪い姿勢の時間的割合を、7対3(理想的な比率)で遊技したときの当日疲労感と疲労蓄積日数
B,正しい姿勢と悪い姿勢の時間的割合を、10対0の比率で遊技したときの当日疲労感と、そのまま放置した場合と、その疲労に対して何らかの対処をした場合の疲労蓄積日数

 以上の結果より、良い姿勢であれ、正しい姿勢であれ、それを保ち続けること自体が疲労の原因になっているように考えられます。結果に関しては個人差があると思うので実験当時(2016年4月現)の被験者情報を記載しておきます。
 被験者 / 35歳(独身)、男性、身長173cm、体重73kg、喫煙者、体調良好

  ずっと正しい姿勢でいる必要がないと思うと少し気が楽になって嬉しくないですか?さらに嬉しいお話があります。正しい姿勢は自分だけの意識や筋力だけで頑張る必要はありません!例えば、背もたれがあるイスの場合は、その背もたれを利用して骨盤の正しい位置を保つ方法があります。もし、背もたれがないイスの場合や、背もたれまでの距離が遠くて届かない場合でも、最近では便利なグッズも販売されています。
 そして、床に直接座る際は、背もたれがあればそれを利用できますが、ない場合は正座が最もおススメです。何故ならば床に座る際、正しい姿勢を保持できるのは正座だけだからです。もし、何らかの事情で普通に正座ができない場合は正座イスといわれる便利なグッズも販売されているので試してみる価値はあるかと思います。

 ではここで、背もたれを利用して楽に正しい姿勢を保つグリグリ座法や、いつでもパッと姿勢を正す方法、そして座る際の正しい姿勢キープをサポートしてくれる便利なグッズを一部紹介させていただきますので、是非ご参考にして下さい。
 なお、背もたれを利用して楽に正しい姿勢を保つグリグリ座方や、いつでもパッと姿勢を正す方法は一般社団法人日本姿勢教育協会 姿勢教育指導士資格認定講座テキスト 2015年版「楽にいい姿勢を保つコツ」を参考にしたものです。

簡単に理想的姿勢で座る方法
簡単に理想的姿勢で立つ方法

楽に理想的姿勢で座るためのグッズ三選


日常生活における指導

 これまでの内容をしっかり実践しても、その効果を妨げるようなことをしてしまえば、せっかくの努力も無駄または効果減少してしまいます。次に並べる事々は考えることすら面倒で、改善していくとなると尚更面倒なことです。しかし、とても重要なことばかりです。一つでも怠れば全てが台無しになると言っても過言ではありません。理由も含めてお読みいただき、原則として全てをクリアできるようにしましょう。
 いずれにしても気を抜く時間は必要ですが、それをクセにしたり日常的なものにしたりすることは確実に避けたいところです。

●足裏(靴)縦のセンターラインが地面を這うように歩く
 [理由] 足裏(靴)の外や内への重心の片寄りは、体全体のバランスの片寄りになり、正しい姿勢の保持ができなくなります。
●脚組みをしない(左右交互にしてもダメ)
 [理由] 骨盤が後ろに倒れ込み、腰や背中の骨が丸くならざるを得なくなります。
●腕組みをしない
 [理由] ほぼ確実に背中の骨が丸くなります。
●地べたに座る時、あぐらや、お姉さん座りは控える(正座がベスト)
 [理由] バランスが崩れたり、背中の骨の丸さに繋がります。
●財布等をポケットに入れない、ポシェット等をズボンに引っ掛けない
 [理由] 重みや異物感は本人が気にしていなくても、体にとってストレスになってしまい、無意識にバランスが崩れます。
●テレビやパソコンモニターは、できる限り目線の正面にくるように配置する、または自身の足下から首まで全体を向けるようにする
 [理由] 上半身だけや首だけを極端に上下左右に向けた状態で長時間いることは、体にとって大きな負担となり、関節の可動性減少やコリに繋がります。
●文字を書くとき、紙は斜めにならず、真っ直ぐになるように置いて書く
 [理由] 斜めになってしまうということは、その分、肩が前に出ていたり体を捻っていることが考えられますので好ましくありません。
●柔らかいソファー等に長時間座らない
 [理由] お尻が沈み込み、骨盤が後ろに倒れて腰の骨や背中の骨が丸くなることを間逃れることはできません。
●立っているときや座っているときの重心は極力片寄りがないようにする
 [理由] 片側に重心をかけ続けると体全体のバランスが片寄ってしまいます。
●荷物を手や肩に持つときは適度に左右交互にする
 [理由] 同じ方ばかりで持ち続けると体全体のバランスが片寄ってしまいます。
●体が沈み込むくらいの柔らかい布団で長時間寝ない
 [理由] 例えば仰向きで寝る場合、体で最も重い部分である骨盤あたりが大きく沈み込んでしまい、結果として骨盤が後ろに倒れて腰の骨や背中の骨が丸くなることを間逃れることはできません。柔らかいソファーに座っているときと似たような状態になります。
●首が前にオジギしてしまう程の高さの枕は避ける(目線が天井の真正面にくる程度が理想)
 [理由] 高すぎると首の骨が前に巻き込んで丸くなります。それは首の骨の本来のカーブが逆になってしまうことであり、ヘルニアや筋肉緊張の原因になってしまいます。
●マッサージチェア等で長時間寝てしまわない
 [理由] マッサージチェアに限ったことではありませんが、チェアに座ったまま寝てしまうと背中全体の骨のカーブが悪くなりがちです。
●食事の際は、左右バランス良く噛むように心がける
 [理由] 噛む動作もやはり筋肉の動きで行われます。同じ方ばかりで噛むと、そちらの筋肉ばかりに負担が集中してしまい、結果的に首や肩等の筋肉にまで連鎖的に影響が出る可能性があります。

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