※揉み返しとは・・・筋肉の損傷による傷みであり、一般的にいう筋肉痛です。過度な運動または運動後の整備不良等によって引き起こされるもので、施術のやり方次第で同じような状態を作り出してしまうことがあります。
[原因]
①揉んでいる
②単に強すぎる
[対策]
①施術の方法として「揉む」と考えることは自然です。しかし実際はその「揉む」という動作が文字の如く揉み返しを起こします。言い回しとして「揉む」と言いますが、実際には「揉む」ではなく筋肉を「(押し伸ばして)舐めるように抜く」です。
筋肉のコリに施術の手指等を触れたら、そのコリ部をわずかにストレッチします。そのまましばらく維持する、またはコリ部を離さないように手指等の中で移動させ自然に抜くということです。ゴロンと抜くのではなくスルっと自然に抜くことが大切です。
もう少し詳しく説明すると、「揉む」ときに手の握力で行うことは理想的ではありません。指で施術する場合ですと、手の状態は、施術の部分のセットできれば固定することが基本と覚えて下さい。固定した状態で手首の返し等を使って動かします。ですので、施術の面に対する角度や体勢が乱れるとセットすら上手くできないので、それを補うために、どこかしらの筋肉に余計な力がかかり、思うようにコントロールできなくなります。術者自身の体を傷めるだけであればまだしも、お客様の体を傷めてしまっては施術として大失敗です。
揉み返しという響きはラフなイメージにとれるかもしれませんが、決して軽く考えないで下さい。もはやそれはケガであり、お客様の体に炎症を起こしてしまっているものだと言うことをしっかり認識して下さい。
②いくら上手に施術をしていても、さすがにお客様の体に力が入ってしまうほど強い施術をすると揉み返しが起こります。また、文字では押圧と書きますが「押す」ではなく「沈める」が正しい表現です。狙うべき施術部分の面に対して手指等をセットできたならば、あとはその面に対して垂直に体重を乗せれば良いのですが、どこまでの深さまで沈めるか。 もたれかかかるように自然に体重を乗せて、沈み込みが止まった段階から、さらにほんのわずかに体重を乗せる。余談ですが、これは押圧時だけではなくストレッチ時にも同じことが言えます。ストレッチで筋肉をできるだけ自然に伸張させた際、どこかで止まる段階があります。そこからほんのわずかに伸張を加えます。
いずれにせよ、施術のフォームを正確に行った上で、集中力をしっかり保つ必要があります。沈み込みが止まる深さを感じることは容易ではありませんが、お客様のケガを防ぐことと効率の良い施術を行う上で重要なことです。時間はかかるかもしれませんが、少しずつでも必ず理解して修得するようにして下さい。そして、何となく分かってきたと思えば、自分だけで完結せず、周囲の方等に実験させてもらい、微調整を繰り返しながら感覚を掴んでいくようにして下さい。
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